2025年09月10日
「最近、片目をしょぼしょぼしている」「目が赤く、痛そうにしている」
そんな症状で動物病院を受診し、「眼圧が高いですね」と言われたことはありませんか?
犬や猫の緑内障は、放置すると短期間で視力を失ってしまうこともある、緊急性の高い目の病気です。
特に初期段階では分かりにくく、「様子を見ましょう」と言われているうちに急激に悪化してしまうケースも少なくありません。
今回は、犬猫の緑内障について
・どんな病気なのか
・なぜ早期診断が重要なのか
・どのような検査・治療が行われるのか
を分かりやすくご説明します。
緑内障とは
緑内障とは、眼の中の圧力(眼圧)が異常に高くなり、視神経が障害されてしまう病気です。
眼圧の上昇が続くと、視神経がダメージを受け、最終的には失明に至る可能性があります。
目の中では「房水(ぼうすい)」と呼ばれる液体が常に作られ、排出されています。
この産生と排出のバランスが崩れることで房水が溜まり、眼圧が上昇します。
犬猫の緑内障の多くは、房水の「出口」がうまく機能しなくなることで起こります。

犬猫の緑内障の原因
緑内障は原因によって、いくつかのタイプに分けられます。
● 原発性緑内障
生まれつき房水の流れ道(隅角)に異常があり、徐々に眼圧が上昇してくるタイプです。
特定の犬種で起こりやすいことが知られています。
● 続発性緑内障
他の目の病気がきっかけで発症するタイプです。
特に多い原因として、
- ぶどう膜炎などの眼内炎症
- 水晶体脱臼
- 眼内出血や腫瘍
などが挙げられます。
猫の場合、炎症による続発性緑内障が多く、隅角検査が重要になるケースがあります。
詳しくは、こちらの記事で解説しています。
- 猫の眼圧上昇は要注意|続発性緑内障と隅角検査を解説
https://www.showavet.com/cat-gonioscopy-eye-pressure/
主な症状
緑内障では、次のような症状が見られます。
- 目を細める、開けたがらない
- 目の充血
- 瞳孔が開いたままになる
- 角膜が白く濁る
- 触られるのを嫌がる、怒りっぽくなる
- 進行すると眼球が大きく見えることもある
痛みを伴うため、元気や食欲が落ちることもあります。
症状が出た時点で、すでに眼圧がかなり高くなっている場合も多く、注意が必要です。
診断と検査について
緑内障の診断には、眼圧測定だけでなく、原因を探るための詳しい眼科検査が欠かせません。
当院では、以下のような検査を組み合わせて評価します。
- 眼圧測定
- スリットランプ検査
- 眼底検査
- 隅角検査(房水の出口の状態を確認)
「眼圧が高い=すぐに緑内障」とは限りませんが、
なぜ眼圧が上がっているのかを正確に調べることが、その後の治療方針を決める上で非常に重要です。
治療について
緑内障の治療は、進行の程度や原因によって大きく異なります。
● 内科治療
点眼薬や内服薬を使い、眼圧を下げる治療を行います。
早期に発見できれば、視力を保てる可能性もあります。
● 外科治療
内科治療で十分な効果が得られない場合や、重度の場合には外科的治療を検討します。
状態によっては、眼球摘出手術が必要となるケースもあります。
緑内障は「完治」を目指す病気ではなく、進行を抑え、痛みや視力低下を防ぐ病気です。
そのため、早期診断・早期治療が何よりも重要です。

飼い主さまへ
- 片目だけ赤い
- 目を気にしてこする
- まぶしそうにしている
- 「眼圧が少し高い」と言われた
こうしたサインがある場合は、早めに眼科検査を受けることをおすすめします。
当院では、眼科診療に力を入れ、専門的な検査機器を用いた診断を行っています。
県内外から眼のトラブルでご相談に来られる方もいらっしゃいます。
「このまま様子を見ていいのか不安」
「原因をきちんと調べたい」
そんなときは、お気軽にご相談ください。
実際の症例・眼科情報はこちら
緑内障をはじめ、当院では目に関するさまざまな症例・検査・治療の情報をNoteで発信しています。
たとえば、
- 眼圧が高いと言われた猫ちゃんの検査の話
- 角膜潰瘍・流涙症・マイボーム腺腫などの実例
など、実際の症例写真・解説付きでご紹介しています。
- 当院の眼科・症例一覧(Note)
https://note.com/showavet1288
日々の診療での気づきや、
「こんなことが知りたかった!」という内容も多く掲載していますので、
ぜひチェックしてみてください。