2025年12月03日
犬や猫と暮らしていると、
「最近、目が白くなってきた気がする」
「シニア期だから老化なのかな?」
と不安に感じることはありませんか?
実はその“目の白さ”、白内障が原因かもしれません。
白内障は加齢によって起こるイメージが強い病気ですが、
若い犬や猫でも発症することがあり、進行すると視力の低下や生活の質に大きく影響します。
この記事では、
初めて動物病院を受診される飼い主さんにも分かりやすく
犬・猫の白内障について、症状・原因・検査・治療の考え方を
甲府市近く・昭和町の昭和動物病院の視点で解説します。

白内障とは?
白内障とは、本来は透明である水晶体(すいしょうたい)やその周囲の構造が白く濁ってしまう病気です。
水晶体はカメラのレンズのような役割をしており、光を通して網膜に像を結ぶ重要な組織です。
この水晶体が濁ることで、
- 視界がかすむ
- 光を感じにくくなる
- 物の形が分かりにくくなる
といった視力障害が起こります。
飼い主さんからは
「黒目の奥が白く見える」
「写真を撮ると目が白く写る」
といった相談が多く寄せられます。
白内障と緑内障の違い
飼い主さんから
「白内障と緑内障はどう違うのですか?」
とよく質問を受けます。
この2つは名前は似ていますが、まったく別の病気です。
| 白内障 | 緑内障 | |
|---|---|---|
| 問題が起きる場所 | 水晶体 | 眼圧・視神経 |
| 見た目 | 瞳の奥が白く濁る | 目が赤い・白く曇る |
| 痛み | ほぼなし | 強い痛みを伴うことが多い |
| 緊急性 | 比較的低い | 非常に高い |
| 放置すると | 視力低下 | 短期間で失明 |
特に注意が必要なのは、
白内障が原因で緑内障を併発するケースがあることです。
「白く見えるから白内障だろう」と自己判断せず、
眼圧測定を含めた検査が重要になります。
緑内障について詳しくはこちら
犬猫の緑内障|「眼圧が高い」と言われたら早めの対応が必要な理由
https://www.showavet.com/glaucoma-dog-cat/
白内障の主な原因
犬や猫の白内障には、さまざまな原因があります。
- 加齢による変化
シニア期になると発症しやすくなります - 先天性・遺伝性
若齢でも見られることがあります - 糖尿病
特に犬では急速に進行することがあります - 目の炎症や外傷
- 中毒や放射線の影響
- 栄養状態の影響
「年だから仕方ない」と思われがちですが、
背景に別の病気が隠れているケースもあるため注意が必要です。
白内障の症状
白内障は進行の程度によって見え方が異なります。
初期の段階では、
- 少し白っぽく見えるだけ
- 生活に大きな変化がない
ことも多く、気づかれにくいのが特徴です。
進行すると、
- 物にぶつかるようになる
- 段差を怖がる
- 暗い場所で動きにくそうにする
- 散歩を嫌がる
といった行動の変化が見られることがあります。
この段階では、視力障害がかなり進行している可能性があります。
白内障の検査・診断
白内障は、視診(目で見て確認する検査)である程度判断できますが、
当院では必要に応じて以下のような検査を行います。
- 視診・拡大検査
- 目の構造の確認
- 他の眼疾患(緑内障・ぶどう膜炎など)がないかの評価
白内障と似た見た目の病気(核硬化症など)もあるため、
「白く見える=必ず白内障」とは限りません。
正確な診断がとても重要です。
白内障の治療について
点眼治療について
残念ながら、白内障を点眼薬だけで治すことはできません。
ただし、点眼薬によって
- 進行を緩やかにする
- 合併症(炎症など)を防ぐ
といった目的で治療を行うことがあります。
手術について
白内障の治療として、水晶体を摘出する手術があります。
ただし、
- すべての症例で適応になるわけではない
- 全身状態や年齢の考慮が必要
など、慎重な判断が必要です。
手術後も「完全に元どおり見える」わけではありませんが、
日常生活での不自由を大きく減らせる可能性があります。

早めの受診が大切です
白内障は、早期発見・早期対応がとても重要な病気です。
放置すると、
- 緑内障
- ぶどう膜炎
などの重い合併症につながることもあります。
「少し白いかも?」
「行動が変わった気がする」
そんな小さな変化でも、昭和動物病院までお気軽にご相談ください。
当院の症例紹介について
昭和動物病院では、白内障を含むさまざまな眼科疾患の診療を行っています。
実際の症例や治療経過については、Noteにて紹介しています。
▶ 当院のさまざまな症例はこちら
https://note.com/showavet1288
症例を通して、治療の考え方や経過のイメージを持っていただければ幸いです。