2025年12月10日
「まぶたに小さなできものがある」
「目が赤く腫れてきたけれど、痛がってはいないから様子を見ている」
そんな状態で来院されるわんちゃんは少なくありません。
しかし、まぶたにできるしこりの中には、放置すると目の炎症や角膜トラブルの原因になる病気が隠れていることがあります。
マイボーム腺腫は、犬によく見られるまぶたの腫瘍のひとつです。
この記事では、マイボーム腺腫とはどのような病気なのか、
点眼や塗り薬では治らない理由、そして治療の選択肢について、
甲府市・昭和町にある昭和動物病院が分かりやすく解説します。

マイボーム腺腫とは?
マイボーム腺腫は、まぶたの中にある「マイボーム腺(油を分泌する腺)」から発生する腫瘍です。
マイボーム腺は、涙の蒸発を防ぐための油分を分泌しており、目の健康にとって重要な役割を担っています。
この腺が腫瘍化すると、
- まぶたにしこりができる
- 赤く腫れる
- 目に違和感が出る
といった症状が現れます。
初期は「小さなできもの」に見えることも
マイボーム腺腫は、最初は赤いポチッとした小さなふくらみとして見つかることが多く、
一見すると「ものもらい」や軽い炎症のように見えることもあります。
しかし、時間の経過とともに徐々に大きくなり、
- 角膜(黒目)に当たる
- 目をこする
- 炎症を繰り返す
といったトラブルにつながることがあります。

眼瞼炎を併発しているケースも
マイボーム腺腫がある状態で刺激が続くと、
まぶた全体が赤く腫れる「眼瞼炎(がんけんえん)」を起こすことがあります。
眼瞼炎が強い場合、腫れの中にマイボーム腺腫が隠れてしまい、
しこり自体が確認しづらくなることもあります。
そのため診療では、
まず炎症を落ち着かせ、その後に腫瘍の有無を評価する
という段階的な対応が必要になります。
点眼薬や塗り薬で治るの?
飼い主さんからよくいただく質問のひとつが、
「点眼薬や塗り薬だけで治りますか?」というものです。
残念ながら、マイボーム腺腫そのものは内科治療だけで消えることはありません。
点眼薬や軟膏は、炎症を抑える目的で使われることはありますが、
腫瘍自体をなくす治療ではないのです。
治療について|外科的切除が基本です
マイボーム腺腫と診断された場合、
基本的な治療は外科的切除(手術)となります。
腫瘍の位置や大きさを正確に確認し、
まぶたの形や機能をできるだけ保ちながら切除します。
適切に手術を行うことで、
- 角膜への刺激を防ぐ
- 目の炎症の再発を防ぐ
- 見た目も自然に回復する
といった良好な結果が期待できます。
手術後の経過について
多くのケースで、手術後の腫れは軽度で、経過は良好です。
約1〜2週間ほどで傷は落ち着き、
まぶたの形もほとんど分からないほどきれいに治ることが多く見られます。
飼い主さんへのお願い
以下のようなサインが見られた場合は、早めに動物病院での診察をおすすめします。
- まぶたにしこりがある
- 目をこする・涙が多い
- 角膜炎を繰り返している
- まぶたが赤く腫れている
目の病気は繊細で、悪化すると治療が難しくなることもあります。
昭和動物病院の眼科診療について
昭和動物病院(甲府市・昭和町)は、
眼科診療を得意分野とする動物病院として、
専門的な知識と医療機器を用いた診療を行っています。
「ちょっと赤いだけ」「小さいできものだから」と思わず、
気になる症状があればお気軽にご相談ください。
実際の当院での症例について
マイボーム腺腫に関する実際の診療や手術の様子は、
当院のNoteでも詳しくご紹介しています。
- ▶︎ わんちゃんのまぶたの腫れについて(マイボーム腺腫の経過)
https://note.com/showavet1288/n/n72eda9a7039d - ▶︎ シーズーのマイボーム腺腫 摘出手術の症例
https://note.com/showavet1288/n/n8467b7761f58
※症状や治療内容は個体によって異なります。
気になる症状がある場合は、必ず直接ご相談ください。