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予防スケジュールとウイルス性疾患

2023年04月02日

予防スケジュール

犬のワクチン

子犬の場合

母犬が年1回のワクチンを受けている場合は、初乳を介して様々な病原体に対する抗体を子犬に移行させます。
母犬からもらった移行抗体は、どれだけ母犬が高い抗体価をもっているかによりますが、生後2~3ヶ月のうちには急速に失われていきます。
あまり早い時期にワクチンを打っても、この移行抗体に阻止されてワクチンに対する抗体は産生されません。
一般には、生後2ヶ月目と3ヶ月目の2回接種します。

犬の場合、生後3ヶ月を過ぎると、狂犬病ワクチンを接種することが必要になります。
狂犬病は、日本・オーストラリア・イギリス・ニュージーランド等、ごく限られた島国を除く世界中で発生しています。
狂犬病ウィルスは、犬だけでなく、ネコ・タヌキ・キツネ・イタチ・フェレット・あらいぐま等すべての動物に感染し、しかも致死的です。

成犬の場合

狂犬病予防ワクチンと各種疾病に対する混合ワクチンを年1回打つことをおすすめします。

犬の七種混合ワクチンは、6500円(税別)です。

猫のワクチン

子猫の場合

猫のワクチンは、現在、4種混合型(カリシウィルス、伝染性鼻気管炎、猫パルボ、猫白血病ウィルス)が主流ですが、猫白血病ウィルスは、胎盤感染がありますので、ワクチンを打つ前に血液検査を受けた方がよいでしょう。
子猫の場合、やはり2回打ちが基本です。

猫のワクチン

年1回の各種疾病に対する混合ワクチンを打つことをおすすめします。

猫の4種混合ワクチンは、8000円(税別)です。

犬のフィラリア予防

気温が15度を超えるようになると、蚊が飛びはじめます。
この蚊の体内に犬のフィラリア症を引きおこす、フィラリア幼虫が潜んでいます。
蚊が血を吸う時、すばやくフィラリア幼虫は犬の体内にもぐりこみます。
そして、皮下 → 皮下組織 → 筋組織 → 血管内というルートをたどって、5~6ヶ月かけて最後に右心房、肺動脈に寄生します。
その頃には、フィラリアは成虫となって、大きいものでは25cmを超えるほどにもなります。
成虫は通常5~6年心臓等で生きつづけます。
心臓の小さな部屋に糸くず状に虫が寄生すれば、当然血流が阻害されて、心臓に負担がかかり、心疾患が発生します。
現在のフィラリア予防薬は、感染成立後1ヶ月までの幼虫を殺すくすりですが、用法・用量を守ってもらえれば効果が期待できます。
フィラリア予防は毎年このあたりですと、4月~11月末までが予防期間となります。

予防薬は、小型犬ですと、500円からになります(税別)血液検査が必要です。

寄生虫予防

ノミもマダニも活躍中です!

山、河原の土手、草原、公園、ハーブガーデンなどへお出かけの際は、要注意!!
ノミやダニが寄生するチャンスとばかり虎視眈々とねらっています。

ノミ・マダニの恐ろしさ

1.アレルギー

吸血されるときに、注入される唾液等により激しい痒みを起こします。
背中に痒み・赤いポツポツ・脱毛などを認めます。
一度アレルギーを獲得すると、わずかな寄生にも反応し痒みがでます。
また、アトピー性皮膚炎などの子は、ハウスダストマイトに陽性であり、この抗体がなんとノミに対する抗体としても働きます。
要するに、皮膚バリアー機能が低下している子は、ノミにちょこっと喰われただけでもものすごく痒くなってしまうのです。

2.貧血

たくさん寄生されると貧血になり、またいろいろな病原体が赤血球に寄生して赤血球の働きが悪くなる。

3.媒介 いろいろな病原体を媒介する。
条虫

ノミがいたらまずこの虫がお腹に寄生してしまいます。下痢など

ライム病

(原因は、スピロヘータ原虫)ヒトにも感染するもので、発熱・痙攣・心臓炎など

バベシア病

バベシア原虫 血球に寄生し、貧血・発熱・黄疸・食欲不振など
急性例では死亡することも

猫ヘモバルトネラ症

菌感染により貧血・元気消失・体重減少・食欲不振などの症状がある

猫ひっかき病

(原因は、バルトネラ・ヘンセレー)ノミ糞をグルーミングすることにより体内に取り込まれる。
猫は、無症状であるがヒトが咬まれたりひっかかれたりすることにより感染する。
リンパ節が腫れ、発熱頭痛がおきます。

瓜実条虫(犬条虫)

※これらを防止するために病院では、フロントラインをおすすめしています。

ホームセンターで類似品を販売していますが、効果の違いがはっきりです。

一般販売の駆除剤は殺虫成分が化学合成してあり、効き目が持続しません。
その点、処方されたものは、水に溶けにくく、シャンプー後にも持続効果あり!!
24時間以内にノミ!!  48時間以内にマダニ!!
首すじの投与だけでなく、耳や指の間などの柔らかい場所への投与により、より効果的!!

ウイルス性疾患

犬のウィルス性疾患について

犬のウィルス性疾患で主なものは次のようなものがあります。

狂犬病ウィルス

(次の項で説明)

ジステンパー

(下記で説明)

パルボウィルス

(下記で説明)

伝染性肝炎

下痢、嘔吐、腹水、劇症肝炎、急性死亡することあり

パラインフルエンザ

咳、鼻水等の呼吸器症状をおこします

コロナウィルス

特に幼若犬に下痢をおこします

特に次に挙げる疾患は、致死性の高いものです。

パルボウィルス

このウィルスは、生存力が強く、フン便中に排泄されたあと、口や鼻から感染します。通常の消毒では根絶は困難です。子犬では胎盤感染もあります。
このウィルスは、心筋や腸管の活動の激しい細胞を集中的に攻撃して崩壊させるので、心不整脈による突然死や、トマトジュース状の血便や、激しい嘔吐を繰り返して脱水や細菌毒によるエンドトキシンショックをおこして高率で死亡する病気です。

ジステンパーウィルス

このウィルスもまた強い感染力をもち、セキ、くしゃみ、目やに、尿から次々と感染が成立します。
症状は、目やに、鼻水等の呼吸器症状と下痢、吐き等の消化器症状が出ます。この病気もまた、致死率が高いものです。また、回復しても、てんかん等の脳症状が後遺症として残ることが多いです。

猫のウィルス性疾患について

猫のウィルス性疾患で主なものは次のようなものがあります。

猫白血病ウィルス

傷口、血液、唾液、胎盤を通じて感染が成立します。白血病ウィルスは、体のあちこちに腫瘍をつくります。また、骨髄を侵すので、貧血や病気に対する抵抗力を低下させます。現在ワクチンがあります。

猫エイズ感染症

病気に対する抗体ができなくなる病気で、いろんな病気にかかりやすくなり、また、なかなか治りません。口の中にも潰瘍ができ、食欲不振の原因にもなります。

猫パルボウィルス感染症

犬のパルボと同じように激しい嘔吐と下痢(血便)がおこり、白血球が極端に低下します。子猫では特にキケンです。

猫カリシウィルス感染症

くしゃみ、鼻水、発熱がおこり、口の中に潰瘍を形成します。

猫ウィルス性鼻気管炎

くしゃみ、鼻水、結膜炎がおこり、この病気はヘルペスウィルスという病原体になります。このウィルスの特徴は、一度感染すると治っても、また体力が低下した時などにウィルスが出てきて、風邪様の症状を繰り返すことです。カリシウィルスとの混合感染が多くみられます。